クロック信号の高調波【LTspiceシミュレーション回路図】
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目次
ノイズ試験における EMI(エミッション)で問題になるデジタル回路の高調波について、LTspice を使って確認する方法をまとめます。3 つのテーマに分けて説明します。
- 矩形波の周波数成分と包絡線
- 共振によるノイズ、EMI 対策部品での対策
- LTspice での FFT 波形確認
矩形波の周波数成分と包絡線#
このセクションでは基板や素子の影響を考慮せず、抵抗負荷を使用したシミュレーション回路を紹介します。
- 矩形波の高調波:PULSE ファンクションで矩形波を出力し、
.fourコマンドで高調波レベルを数値取得 - 矩形波の高調波(デューティ比変更):PULSE 設定の ON 時間を調整してデューティ比を変更
- LPF を通して高調波を除去:フィルタ挿入前後の波形比較と周波数特性表示
- 正弦波の重ね合わせ:オペアンプを使った加算器で信号を合成
- 台形波:形状表示とスペクトラム解析
基板上の共振による影響#
容量負荷を使用したシミュレーションです。
- リンギング波形:基板の寄生成分(R: 1 mΩ/cm、L: 10 nH/cm、C: 5 pF/cm)を追加
- 立ち上がり時間変更時のリンギング波形:
.stepコマンドで立ち上がり時間を自動切り替え - フェライトビーズ挿入による対策:村田製作所製 BLM18RK601SN1 を使用(SPICE モデル提供)
LTspice で使用した設定とコマンド#
トランジェント解析#
.tran 0 2u 0 1pMaximum Timestep を解析したい信号の周期の 1/100 程度にするのがポイントです。
AC 解析(周波数特性)#
.ac oct 100 1meg 1Gスイープ種類の選択肢は次の通りです。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| Octave | 2 倍間隔 |
| Decade | 10 倍間隔 |
| Linear | 等間隔 |
| List | 指定周波数 |
データ処理設定#
.options plotwinsize=0
.options numdgt=15データ圧縮を禁止し、精度を向上させます。
フーリエ変換#
.four 10Meg 7 1 V(OSC).four コマンドを使うと高調波のレベルを数値で取得できます。波形ウィンドウの FFT 表示と異なり、数値データとして出力されるため比較・記録に便利です。
パラメータ(変数)使用#
PULSE(0 1 0 {tr} {tr} {ton} {cycle})
.param cycle=100n ton=cycle/2-tr
.step param tr list 1n 10n波括弧 {} で囲んだ文字列が変数となります。.param で値を代入し、.step で複数の値を自動的に切り替えてシミュレーションを実行できます。
シミュレーションモデルの取り込み#
.include BLM18RK601SN1.mod外部モデルを使用する場合は .include コマンドでファイルをインクルードし、回路図上でシンボルとモデルを関連付けます。
電圧源設定:矩形波出力#
PULSE(0 1 0 15n 15n 35n 100n)パラメータの順序は次の通りです。
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
| Vinitial | 初期電圧 |
| Von | ON 時電圧 |
| Tdelay | 変化開始時間 |
| Trise | 立ち上がり時間 |
| Tfall | 立ち下がり時間 |
| Ton | ON 時間 |
| Tperiod | 周期 |
FFT の表示方法#
波形ウィンドウで右クリック → View → FFT → 信号選択 → 周波数領域表示
シミュレーション回路図について#
すべてのシミュレーション回路図は GitHub 上で公開しています。LTspice はアナログデバイセズが提供する無料の回路シミュレータで、公式サイトからダウンロードできます。